

LAVIE SOL 開発ストーリー
Electric EngineerY.S. [2019入社]
2024年11月に発売されたLAVIE SOL。本機種はメインターゲットをZ世代、特に大学生に定め開発されたモデルでした。これまでのNEC PC製品のターゲットとは異なる層に向けて開発を進めるにあたり、プロジェクトチームは現場の声や、YouTubeチャンネル「Nontitle」との連携によって、その方向性を模索していきました。そのリサーチによって導き出された結果をどのようにして形にしていったのかを紹介していきます。
Z世代にとっての使い勝手を追求して
LAVIE SOLプロジェクトを手掛けたのは、Z世代の若手社員をはじめとする国際色も豊かなエンジニアたち。Z世代へのシェア拡大を図るにあたり、課題となっていたのは、認知度の拡大。そのために、デザイン性の強化や、大学など外出先での使用を想定したバッテリー駆動時間の改善が目標に掲げられていました。チームでは、まず大学生の利用を想定したシナリオを立てて開発をスタートしたものの、実際の「大学生の使用環境に本当に合っているのか」をより正確に検証するため、若手社員にアンケートを実施するだけでなく、開発の中心となった米沢事業場から近い、山形大学に協力を仰いで情報を集積していきました。現役の大学生へのヒアリングはもとより、実際の大学構内の明るさ測定などを通して、具体的な方針が定まっていきました。

従来のLenovoの機種では軽量化を大きな命題としていましたが、現役大学生たちの声から寄せられたのは、軽量のPCへの要望と共に、自分が好きになれ、他者と差別化できるデザインへの要望が強く寄せられました。さらに、マーケティングスタッフを通じてYouTubeチャンネルで寄せられた、デザインや機能性の意見を取りまとめ、具体的な方向が決定していきました。
こうして決定したLAVIE SOLの姿は、手触りが良く指紋が拭き取りやすいシルクタッチコートを全面に施した、ノイズレスなデザインのPC。さらに、着せ替えケースをつけることによる、ユーザーに応じたカスタマイズ性の獲得や、外出時の持ち運びをサポートする薄軽設計も採用されています。バッテリーの駆動時間や寿命は、大学生の講義と自宅でのレポート制作作業を想定した7時間×2日間で、4年間使用できるように配慮。
さらに、モニターのタッチパネル化、スマートフォンからのデータ転送、YouTubeキーの設置など大学生の日常に即したものとなったのです
これまでのLenovoにはないこだわり
これまでのLenovoの方針から大きく舵を切ったLAVIE SOL。
プロジェクトチームは、いくつもの課題に直面しました。バッテリーの面では、従来のNECPC製品に搭載されているバッテリーの駆動時間を伸ばすためのロングバッテリーモードが、本機種のOS設定では却って機能の効果が低下してしまうことが判明。そこで、エレキチームだけでなくアプリチームと協議を重ね、OS設定の切り替えを、アプリケーション側で制御することで、効果低下を防ぐことに成功。さらに駆動時間をさらに改善するため、従来のNECPC製品ではバッテリーの残量が5%を切った際に、PCが休止モードとなるよう設定されていたものを、2%に変更することで駆動時間の延長を達成しています。わずか3%のバッテリー使用量ではあるものの、残量が少ない中で安全にデータを守りながらPCを稼働し続けるためのラインを模索するため多くの技術者がアイデアを出し合っています

デザインの面でも、バッテリーの長時間駆動を果たすために大型化したバッテリーを収めつつ、薄型化を果たすため試行錯誤が重ねられています。マザーボードの形状はもちろん、モニターやキーボードなど数多くの部品を薄く・軽量化していくための取り組みが並行して重ねられた結果、薄さ14.3mm、軽さ約1,197gという携行性に優れた薄さと軽さを実現しました。
それ以外にも、筐体の外装はもちろんモニターやキーボード周りに至るまで、傷や指紋がつきにくいコーティングを施したり、NECロゴのサイズを調整し、よりノイズレスなデザインを追求したりするなど、細部までこだわりの詰まった製品が完成しました。
これまでのLenovo 製品にはなかったコンセプトで生み出された本機種は、長寿命で、汚れや傷に対する高い耐久性を誇るサスティナブルな製品として、一つのフラグシップモデルとなりました。この製品で成し遂げた成功を元に、プロジェクトチームのメンバーは次なるターゲットとなるアルファ世代に向けたブラッシュアップの構想を練り始めています。