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現在のミッション

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入社以来、ほぼ一貫してCPUの技術に携わってきました。CPUについては、現在私と上司を含め5名のチームで運営しています。そこで私は主担当として、新製品の仕様や技術情報の入手・展開、開発用サンプルの調達、提供される製品・サービスの仕様や開発サポート内容に関する交渉、さらには問題発生時の調査対応等、技術そのものばかりではなく、CPUに関わる全てが私の仕事の領域となります。
最近のPC向けCPUは単なる演算をするユニットではなくなり、GPUや周辺デバイスのコントローラー、各種センサーの情報を集約して処理するハブなどが統合されたSOCになっています。演算ユニットとしての機能だけではなく、周辺をコントロールする機能も含め、CPUに関する知識はついてきたと実感しています。製品の性能を左右する重要な部品となるだけに、責任を感じる一方、やりがいや手応えも感じています。
私は今の自分の仕事は「縁の下の力持ち」であると捉えています。例えばひとつの製品をつくりあげるプロセスには、評価機をつくる段階があり、試作用のCPUを用意しなければいけないのですが、この調整は案外、苦労が伴います。既に発表済で世の中に出ているCPUであれば、必要な数量を購入すれば良いのですが、PCの場合は1年先の製品出荷を見据えて開発をスタートするため、1年後に最新の仕様で製品を出荷するためには、CPUベンダーに今後発表する開発中の製品のサンプル提供を依頼し、必要となる数量を確保しなければなりません。PC業界は新製品を発表する時期が毎年この時期と決まっているため、計画通りのスケジュールで遅れを出さずに開発を進めることが重要で、そのためには決められた短い期間で様々な評価を実施し、得られた結果を次の試作にフィードバックする必要があります。
それには決められた時期に決められた台数の評価機を作るためのサンプル数量を揃える事が非常に重要になるわけです。
しかしCPUベンダーも新製品のサンプルをつくる時期や数量を自社の開発プロセスや規準に則り決めているため、NECPCが希望するスケジュールではサンプルは出せない、あるいは必要となる数量が確保できないと返されることもあります。すると社内からは「なんとかしろ!」と言われる(笑)。両者の板挟みになり、胃が痛くなることもあります(笑)。
これはサンプル調達に限らず問題の調査でも似た状況に陥ることはしばしばあります。開発フェーズにはいくつかチェックポイントが設けられており、見つかった問題は各チェックポイントまでに解決させる必要があるのですが、問題発生時の影響は大きいものの発生頻度が低く思うように調査が進まない、あるいはチェックポイント間近になって新たな問題が見つかる、といったケースも少なくありません。
当然、社内からはスケジュール通りに開発を進めるためにチェックポイントまでに解決策を見つけろ!と言われ、社内での切り分けの結果、CPUの動作が疑わしい場合にはCPUベンダーにも問題について説明し調査をして貰うことになるのですが、このようなケースの場合、原因を特定するためのデータを集めるのに時間がかかる、あるいは要求している納期が非常に短い、といった理由でCPUベンダーが難色を示す事もあります。

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このようにCPUベンダーと社内の意見が対立してしまった場合、双方の意見を整理したうえでどこに着地点を見つけるのか、どうすれば円滑に進められるのかを考え、間に立って調整するのも私の重要な役割です。エンジニアが追求するべき技術そのものとは違うかもしれませんが、プロジェクトを動かしていくためには、絶対に必要なスキルとなります。自分自身の動き方ひとつで、プロジェクト全体の動きが左右されてしまう。このこともまた、大変さの一方で、大きなやりがいにもつながっています。

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心掛けていること

CPU技術担当としての業務は、NECPC社内と、CPUベンダーとの調整業務も必要であるとお話しました。私自身が仕事をするうえで心掛けていることは両社が「売り手」と「買い手」という関係ではなく、互いに協力し合うことでひとつの製品をつくる、「パートナー」としての関係を構築するということです。だからこそ、時には胃も痛くなるのですが(笑)。
以前、こんなエピソードがありました。それはCPUそのものの機能や品質ではなく、付帯する「あるもの」についてなのですが、NECPCとCPUベンダーの主張が対立してしまうことがあったのです。CPUベンダーが提供する仕様では、NECPCの環境試験をパスできないことがわかったのです。NECPCとしては現在の仕様では市場に出すことはできないと判断し、CPUベンダーに対し仕様の改善を要求しました。しかしCPUベンダーからの回答は仕様の変更はできないというものでした。なぜならNECPCが要求した仕様に変更すると、CPUベンダーが元々想定していた使い方に影響がでる可能性が高かったからです。双方で主張し合う「譲れないこと」をどう調整していくのか…。幾度となく話し合いをしたうえで見えてきた結論は、こちらの環境試験をパスできるように、NECPC側で「あるもの」を補助する部品を追加するというものでした。CPUベンダーは「あるもの」の使い方を厳格に定義しており、通常は補助する部品を取り付けることは認めていないのですが、補助をする部品と、それが実際に取り付けられた製品をCPUベンダーに送付して実機の状態を確認してもらい、CPUベンダーが想定している使い方には影響がでないという事を示すことで特例として認めて貰いました。私にとっては社内、社外と、タフなネゴシエーションとなりましたが、より良いパートナーシップの構築という点では、忘れられないエピソードです。

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仕事観

新人時代から数年間は、CPUのエキスパートとして、より深く技術を探求してきたいと考えていました。しかし、エンジニアとして経験を積み重ねていくうちに、少しずつ、「スペシャリストからゼネラリスト」へと、私自身の志向は変化してきました。私はエンジニアとして、CPUの技術のエキスパートを目指す一方で、もっと広い視野が必要なのではないかと感じるようになってきたのです。
今でこそNECPCもレノボ・ジャパンとのジョイントベンチャーを始めワールドワイドの市場を意識するようになりましたが、純粋なNECグループだった数年前まではワールドワイドの市場は意識せず日本に特化した製品開発を行っていました。一方で私が入社当初から仕事をともにしていたCPUベンダーは、昔からワールドワイドの市場でビジネスを展開している企業で、こうした人たちと仕事をともにしていくなかで、自分自身の視野の狭さを感じる場面が多々ありました。また開発として業務を遂行していくなかで、開発としての業務だけではひとつの製品を世の中に出すプロセス全体を把握する事はできず、他の業種も経験する事で全体の流れに対する理解を深めたいと感じるようになっていきました。開発として働いていると、なぜ企画はこのような考えを持っているのだろう、現在開発を行っている装置の仕様は本当に市場から求められているものなのだろうか、この仕様に決めるまでにどのようなデータをもとにどのような議論が重ねられてきたのだろう、といった疑問を抱くことがあり、これらの疑問を自身で解消するためにも、開発と異なる職種も経験してみたいと考えるようになってきたのです。

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もちろんスペシャリストを目指すこと自体が悪いわけではありません。「スペシャリスト=視野が狭い」と決めつけているわけでもないのです。しかし、ある分野の技術に特化するのではなく、様々な仕事を経験することで、自分の考え方ももっと拡がるのではないか。そしてそのことは、この先エンジニアとしてだけではなくビジネスパーソンとして生きていく私の大きな糧になるのではないかと感じはじめたことが、私の仕事観を大きく変えていきました。
ちなみに今、エンジニア以外で興味がある分野は、マーケティングリサーチです。様々なところに出向いて市場調査を行ったり、お客様ばかりではなく、色々な人の話を聞くことで、どのような製品が求められているのか。どのような技術があるべきなのか。こうしたことを肌で感じる機会が得られたらと思っています。

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これからの夢・目標・Vision

「ゼネラリスト」として、パソコンを核とした全く新しいコンセプトの製品や、使い方が提案できるようになること。それが私の夢であり、目標です。
NECPCに入社を決めた理由のひとつは、企画、開発、営業、生産、保守の全てを自社で担っているということでした。それはNECPCには、それだけいろいろな仕事があることを意味しています。入社当初は、自社で全てをまかなうということは、ビジネス上の大きなメリットだと感じていましたが、今は、自身のスキルを幅広く向上させることができる数多くの仕事があるというフィールドの大きさがメリットのひとつだと感じています。現在の私はエンジニアとして与えられたミッションを追いかけていますが、先ほども述べたマーケティングサーチや製品企画など、その他の仕事にもチャレンジしてみたいと思っています。いろんな角度から知識・経験を積み重ねることで、世の中に大きな付加価値を提案できるようになりたいと目論んでいます。

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NECPCとレノボ・ジャパン

PC向けのCPUベンダーは数社しかなく、レノボ・ジャパンも同じCPUベンダーの製品を採用しています。そのためCPUベンダーのマーケティングや技術担当が来日し、製品や技術のアップデートミーティングが開かれる際などは、横浜に出向き一緒にミーティングに参加することもあります。
このようなミーティングの場で出るレノボ・ジャパン側の意見は大きな刺激になります。NECPCは独自性の高い日本市場を特に意識していますが、レノボ・ジャパンは特定の国は意識せず海外市場全体を見ており、着眼点が異なっています。そのため「こういう考え方もあるのか」と素直に感じる場面も多々あります。こうしたことは大きな刺激になりますね。

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米沢という環境

冬はなんといってもスキーです。会社からクルマで15分でスキー場に行くことができますから。最近は行く機会は減りましたが、入社した当初は、シーズン券を買って、週に2〜3回は行ってましたね。近いだけに、定時に仕事が終われば、6時から滑ることができるのですから(笑)。スキー場が近いということは、それだけ雪も多くて、それなりに大変なこともありますけどね(笑)。

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