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入社から現在までの「仕事歴」

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一般消費者向けの製品開発を行いたい。それが就職に対して私が思ったことのひとつでした。出身は工学部ですが、ある製品に用いられる要素技術や部品に関わるというよりも、具体的な製品開発を通じて、人々の生活をもっと便利に豊かにしていきたい。そんなことを学生時代は夢として感じていました。就職先の選択肢は数多くありましたが、パソコンという分野を選んだのは、パソコン自体が好きだったということとともに、会社のカルチャーも大きく影響しました。決め手となったことは、個人の意見が尊重されるという要素。この会社なら、自分の資質を伸ばしエンジニアとして頑張っていけると感じました。
入社後は、電気回路のエンジニアとしてThinkPadのマザーボード設計を中心に開発業務を担当。その後、アーキテクチャ設計、システム設計を担当し、課長職を経て、回路設計チームの部長職を担うようになりました。その後、1年半ほどレノボのアメリカ本社に海外赴任し、本社と日本の開発部門とのパイプ役として、さまざまな製品開発や技術的問題の解決を担当。2013年に帰国後、開発部門ディレクターとしてThinkPad タブレットシリーズの開発面での総指揮を執っています。
エンジニアには自身の資質に応じて2つの道に分かれます。ひとつはある要素技術をディープに追求していくタイプ。そしてもうひとつは、広い視野でものづくりを担いたいと考えるタイプ。どちらが良いか悪いかということではなく、エンジニアには、ある時点で自身の仕事観や資質によって、必ず道が分かれてきます。私は就職活動の時点から、そして入社後に積み重ねてきたエンジニアとしての修行期間を通じても、一貫して製品企画に関わりたいと感じてきました。タイプとしては明らかに後者ですね。電気回路を中心としたエンジニアとしての修業期間も、技術そのものを追求することだけではなく、新しい技術を通じてどのように社会の価値を変えていくことができるのか。そう考えていました。その後、課長職、部長職とステップアップしていったわけですが、誤解のないよう説明しておくと、一般的な社会通念では「管理職=同様な社歴のエンジニアよりも評価が高い」という印象があるかもしれません。しかし、それはレノボでは違います。レノボでは管理職というのは要素技術を担うエンジニア同様、ひとつの「役割」なのです。レノボには管理職ではなくてもエキスパートとしてステップアップできるキャリアパスがあることはご理解ください。

[画像]製作風景

現在のミッション

レノボでは「Protect & Attack」という戦略を掲げています。レノボの強みであるPC No.1のシェア。この強みを堅持することでPC市場において高い収益性を確保していきます。これが「Protect」の要素です。そしてその一方で、市場を揺さぶり、社会へ新しい価値を提供していくことも重要です。PCに関わらず、スマートフォンやタブレット、あるいは全く新しい概念のもの…、新たな情報機器を生み出し、価値創造を行うことが「Attack」の要素となります。

[画像]製作風景

この2つの要素を踏まえて、製品の企画から量産出荷に至るまでのあらゆるフェーズでの開発業務の責任者。それが私に与えられたミッションです。具体的には開発業務中の重要案件において、ハードウェア、ソフトウェアなどの各担当チームに対して方向性を提示し、アドバイスし、決定をしていくことになります。そのためには、本社や海外を含めた社内関連部門との意見調整、また社外のキーパートナーに対しての協力要請や折衝も私のミッションです。エンジニアチームが計画通りに製品の量産出荷を達成できるように環境を整えていくことが、私が担うべき大切なことなのです。

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転機

転機というか、現在のミッションを遂行する大切な下地である「視野の広さ」につながったのは、1年半赴任したアメリカ本社での勤務です。私に与えられたミッションは、製品企画を担う本社のマーケティングチームと、日本の開発チームとのパイプ役となることでした。
企画と開発。その両者は時として対立関係になります。企画側はひたすら「性能が良く、軽い、でも安いもの」を求めてくる。しかし開発側からすれば、それは技術的な限界を超えた、とても無理な要求として受けとめられる。双方に「何故、わかってもらえないのか」というストレスが生じがちであることは事実です。私自身も本社に赴任する前は、「どうしてそんなに都合のいい要求ばかりしてくるのか」と感じることも多々ありました。しかし本社に赴任し、マーケティングチームとface to faceで仕事をするなかで、何故企画側が開発側にとって無理な要求をしてくるのか、その背景が掴めるようになってきました。ものづくりを担う人間は、その全てがそれぞれの現場で「もっと良いもの」「もっと価値あるもの」を生み出したいと願っています。開発側にも熱意があるように、企画側にも想いがある。この当たり前のことが、本社に赴任する前は、なかなか肌感覚で理解することができなかったのです。赴任当時、日本の開発チームから「企画から、こんな馬鹿げた要求が出てるんだけど、どうなの?」と怒りに満ちた問い合わせを受けることもありました(笑)。その際は、企画側に要求の背景を確認し、要求にはこうした理由や背景があるということを、開発側に理解してもらう。逆のパターンもまた然りです。こうしたことを通じて、より良いものづくりを行うためには、どうすれば良いのかということを俯瞰して捉えることができるようになったと感じています。私の視野を一気に拡げてくれた、とても良い経験となりました。
現在は日本に帰国し開発現場の総指揮を執っていますが、この1年半の本社勤務で築いた人脈は、とても大きな財産となっています。企画側、開発側で意見の衝突が派生した際でも、最終的に私が間に入ることで、企画側も「君が言うのなら」と、納得してもらえる場面も数多く出てきました。これは、とても嬉しいことです。

[画像]寄せ書き

1年半の本社勤務から日本に帰国することが決まり、私の赴任期間が終わろうとしている頃、当時のボスからミーティングをセットされました。指定時間にボスのオフィスを訪ねると、別の部屋に案内されました。するとそこでは大勢のチームメンバーが揃って私のフェアウェルパーティーを用意してくれていたのです。全くサプライズでした。一人ひとりが私へのメッセージを寄せ書きにしてくれたり、また秘密裡に私の家族にコンタクトをとってくれていて、家族からのビデオメッセージを流してくれたりもしました。信頼関係というとても大きな財産を得ることができた1年半は、私にとって大きな転機となりました。

[画像]製作風景

仕事の手応え

私の仕事での手応えは、製品開発のゴーサインが出る前段階に深く関わることができることです。次はどんな製品にするのか。そのために、企画側と開発側で意見を出し合い、議論を深め、良い製品に対する定義も違う双方の意識をひとつにしていくプロセス。ここに関わることができることは、エンジニアとは違った醍醐味につながりますね。

[画像]ミーティング風景

そしてもうひとつの醍醐味は、開発段階でさまざまな難問に立ち向かい解決をしていくこと。このことはエンジニアとして大きな手応えとなりますね。そしてそのうえで、自分たちが関わった製品が量産され、ワールドワイドに展開され、世界の様々な人たちから高い評価をいただくこと。この達成感は、私のモチベーションに直結しています。

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これからの夢・目標・Vision

私が入社した頃、ThinkPadは残念ながらシェアNo.1ではありませんでした。当時は4番手あたりだったと記憶しています。その頃はライバル他社には、到底叶わないとすら感じていました。しかし、今では1位です。中堅ランクからでも、頑張れば1位になれるというプロセスを味わうことができたことは、私にとってきわめて良い経験になりました。
現在、PC市場においてレノボは1位ですが、タブレットやスマートフォンを合わせたスマートデバイスでは第3位でありグローバル市場では大きな競争相手が存在します。しかし、お客様に喜んでもらえるものづくり、あるいは社会に新しい価値を生み出すものづくりにチャレンジし続けることで、いつかはPC同様に高いシェアを獲得することができると本気で思っています。また将来を考えるとPCやスマートフォンに代わる全く新しい情報機器を自分たちのイノベーションとして創り出し、それが世の中に受け入られる、そのような挑戦に取り組みたいと考えています。それは簡単なことではありませんが、可能性は絶対にゼロではない。こうした夢を描けることが、レノボのエンジニアの特徴のひとつではないでしょうか。

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後輩エンジニアへ

まだ私が新人だった頃、果敢に難問を解決していく先輩エンジニアがたくさんいました。「いつかは、先輩のようなエンジニアになりたい」と素直に憧れを感じたものです。諸先輩の背中に憧れ、いつかは追いつきたいと切磋琢磨することで、私自身も成長を遂げてきました。
現在、数多くのメンバーを束ねる立場を担っていて感じることは、成長するエンジニアに共通している要素は「仕事に対して前向きであること」そして「仕事が好きであること」ではないかと感じています。仕事が好きで、一生懸命取り組んでいる人は、いつか必ず大きな実を結ぶ時が来ます。私自身もそうでしたし、メンバーを見ていても同様のことを感じます。仕事に対する情熱。それはもしかしたら、最近の若い人にはフィットしないことかもしれませんが、ジェネレーションギャップを乗り越えてでも(笑)、私は、仕事への熱い想いを伝え続けていきたいと感じています。

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